西武鉄道は、5月14日に発表した2025年度の鉄道事業設備投資計画において、定位置停止装置「TASC」の導入を進める方針を示しました。

TASCとは、列車が駅に停車する際、自動的にブレーキをかけて定位置に停止させる運転支援システム。運転士によるブレーキ操作を自動化することで、特にホームドアの設置駅において、定時運転および乗務員負荷軽減に貢献します。同社では、今後ホームドア整備駅を拡大するにあたり、TASCの整備を進めていくと説明。2025年度から地上および車上に機器を設置する工事に着手し、2027年度に池袋線池袋~小手指間、豊島線、西武有楽町線の各駅への導入を目指すとしています。

同社では、東飯能~西武秩父間を除く全駅へ、ホームドアもしくは固定柵を整備することを目指しています。当面は、池袋~小手指間、西武新宿~新所沢間、小平~玉川上水間、豊島線、西武有楽町線の各駅へ、2030年代半ばまでにホームドアを整備する方針。2025年度は、保谷駅、新所沢駅でのホームドア稼働を予定しているほか、東村山駅でも高架化にあわせ、新宿線下りホームでの運用を開始する計画です。

設備投資計画では、ホームドア関連のほか、高規格な踏切支障検知装置や踏切異常検知システムの整備推進、連続立体交差事業の推進、40000系3本24両の導入、「サステナ車両」としての東急9000系3本の譲受、山口線車両新造、タッチ決済乗車サービスとQR企画乗車券の対象駅拡大に向けた自動改札機更新などを盛り込んでいます。