熊本市交通局は、17日付で、九州運輸局長に対し、熊本市電の運賃改定の認可を申請しました。6月1日の改定を予定しています。

改定後の運賃(すべて均一運賃)は、大人普通運賃が200円(現行180円)、大人通勤定期が1か月7200円(現行6480円)、3か月2万520円(現行1万8470円)、大人通学定期が1か月6000円(現行5400円)、3か月1万7100円(現行1万5390円)など。改定率は平均11.11パーセントとなります。

また、その他の運賃でも、紙式の1日乗車券は大人700円(現行500円)、貸切旅客運賃は大人1万4000円(現行1万2600円)などと改定を予定。ただし、モバイル式の市電1日乗車券や24時間券、電車バス共通1日乗車券、夏休み子ども定期などは、現行のまま据え置くとしています。
今回の申請に至った理由として、熊本市交通局は、乗車人員がコロナ禍前の水準まで回復しない一方、電気代高騰などによる支出増加によって、収支率が悪化したと説明。熊本市独自の補助により、必要資金を維持する状況が続いているといいます。加えて、2024年には脱線事故などの運行トラブルを続発させており、外部有識者による検証委員会では、人員不足や安全対策への投資の不足が課題だと指摘されていました。これら課題を解決するには現在の収支状況では対応が困難なことから、熊本市交通局は今回の運賃変更申請に踏み切ったとしています。
熊本市交通局では、経営合理化の取り組みとして、上下分離方式の導入や、既存ストックの有効活用などを進めていくと説明しています。