JR東日本は、「羽田空港アクセス線(仮称)」整備の一環として、山手線と京浜東北線の一部区間運休をともなう線路切換工事を実施します。これにともない、4月19日の始発列車から20日の12時ごろまで、山手線と京浜東北線の一部区間が運休となります。

運休区間は、山手線外回りの上野→東京→大崎間と、京浜東北線の東十条~品川間。さらに20日は、山手線内回りも大崎→東京→上野間で運休となります。そのため、19日は上野→品川間は上野東京ライン(東北本線・東海道線)および東京~神田間で並走する中央線の停車駅を除き、JR線の最短経路で移動することはできなくなります。
さらに20日の始発から12時ごろまでの間、上野~品川間では、御徒町、有楽町、浜松町、田町の各駅に停まるJR線の列車はなく、上野、秋葉原、神田、東京、新橋、品川の各駅でも、JR線は並走または接続する路線しか利用することができません。


山手線では、運休区間以外でもダイヤに影響があります。19日は、内回りは運休区間はありませんが、通常の土休日日中は約4分間隔のところ、当日の大崎→東京→上野間は約3~6分間隔に。さらに、上野→池袋→大崎間では、大崎駅行き(上野~大崎間折り返し列車)が加わり、約2~4分間隔での運転となります。なお、外回りで運休とならない大崎→池袋→上野間は、約10分間隔での運転です。
20日の山手線は、12時ごろまで、大崎~池袋間と大崎~池袋~上野間の2パターンで折り返し運転を実施。外回りは約4~10分間隔、内回りは約5~10分間隔での運転となります。
また、京浜東北線でも、運休区間外で一部ダイヤが変更となります。蒲田~大船間は通常の運転本数のままですが、大宮~東十条間は約6~8割ほど、品川~蒲田間は約7割~通常の運転本数となるとのことです。なお、19日と20日は、京浜東北線は快速運転を終日中止。20日の上野~品川間運転再開後も、全列車が各駅停車での運転となります。
今回の工事運休に対応するため、JR東日本では、他の一部路線で列車を増発します。上野東京ラインでは、品川~上野間(一部は大宮駅発着)で増発列車を運転。さらに埼京線では、19日に限り、大崎~武蔵浦和間(一部は赤羽駅発着)で列車を増発します。
加えて、JR東日本では、東京メトロや都営地下鉄、東武、京急などに、振替輸送を依頼します。振替輸送は、運休区間のきっぷ、定期券、回数券などを持つ利用者が、事前に定められた他社局線区間を利用できるもの。なお、「Suica」「PASMO」などのICカード乗車券のチャージ残高による利用や、IC定期券の定期区間外の利用時は、振替乗車は利用できず、実際に乗車した区間の運賃を支払う必要があります。

今回の工事目的である羽田空港アクセス線は、羽田空港のターミナル直下に乗り入れ、山手線方面や臨海部方面と接続する路線。現在は東京駅と羽田空港を直結する「東山手ルート」と「アクセス新線」の工事が進められています。東山手ルートは、田町駅付近で東海道線と分岐する予定で、一部の線路を移設して新線を挿入する必要があります。
JR東日本は今回、山手線外回りと京浜東北線南行の線路を西側に移設する工事を実施。これにより、東海道線上り線を移設するスペースをねん出します。今後は、東海道線上り線を西側へ移設する工事を実施した後に、羽田空港アクセス線の線路を整備する予定です。

