西武鉄道は14日、国土交通大臣に対し、鉄道旅客運賃の変更認可を申請した。

改定後の大人運賃は、初乗り区間(4キロ以内)の現金支払い時運賃が170円(現行160円)、同IC運賃が169円(現行157円)。25キロ以上28キロ以内(池袋~所沢間など)の現金運賃が410円(現行360円)、同IC運賃が402円(現行356円)、45キロ以上48キロ以内(西武新宿~本川越間など)の現金運賃が600円(現行520円)、同IC運賃が592円(現行513円)、77キロ以上81キロ以内(池袋~西武秩父間など)が800円(現金運賃は改定なし、IC運賃は現行796円)など。通勤定期運賃も同様に改定するが、通学定期券運賃は家計負担に配慮し、現行運賃のまま据え置く。運賃の平均改定率(改定前の鉄道駅バリアフリー料金を含む)は、定期外が11.9パーセント、通勤定期券が10.0パーセント。


今回の改定において、遠距離帯の運賃は、観光需要創出、秩父地方の活性化を目的に、改定幅を抑制している。また、同社は駅バリアフリー工事の推進を目的とした「鉄道駅バリアフリー料金」を導入しているが、今回の申請が認可された場合、これを廃止する。ただし、ホームドアなどの施設整備については、継続して実施するとしている。
同社は、今回の運賃改定の背景として、輸送人員数の減少や、物価の継続的な上昇、従業員の処遇改善などの理由を説明。永続的な鉄道事業の運営、良質かつ快適なサービスの提供を目的に、運賃改定を決定したという。同社における運賃改定は、消費税率変更によるものを除くと、2002年以来のこととなる。
運賃の改定は、2026年3月を予定する。