東急電鉄は2日、定期運転を終了していた「8500系」を、動態保存車として復活させると発表した。

8500系は、新玉川線(現在の田園都市線の一部)と地下鉄半蔵門線の相互直通運転に対応した車両として、1975年にデビュー。田園都市線のほか、東横線や大井町線、直通先の半蔵門線や東武線などでも活躍していた。近年は、後継車両の5000系や2020系の導入が進んだことから、8500系は置き換えが進行。2023年1月25日に、定期的な運転を終了していた。
今回復活する8500系は、同形式で最後まで活躍していた8637編成。他の編成と異なり、青色の前面・側面帯を巻いていたことが特徴となっている。8637編成の復活に際しては、編成を4両に短縮。また、片側の先頭部・側面を青帯のままとする一方、反対側の先頭部は赤帯、側面は帯なしの仕様とする。

東急は、同編成の動態保存化について、利用者や鉄道ファンから引退を残念がる声が寄せられたことのほか、同社最後の直流モーター車であり職員への技術伝承に活用できること、多客時やイベント時の運行にも活用できることを、理由として挙げている。
8637編成の復活時期は、2024年秋ごろ。大井町線や田園都市線二子玉川~長津田間、こどもの国線で、多客期やイベント時の臨時列車、団体臨時列車などとして運転するとしている。