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鉄道総研・JR貨物、主電動機の新制御方法を開発

2014年10月15日(水)13時16分

新制御方法による空転収束検知
新制御方法による空転収束検知

鉄道総合技術研究所とJR貨物は14日、インバーター制御機関車のけん引力を向上する、主電動機の新しい制御方法を開発したと発表した。新制御方法では、空転収束検知の性能改善に加え、「空転誘発抑制制御」の導入を行う。

一般的なインバーター制御機関車では、主電動機の回転加速度により車輪の空転を検知し、空転が大きくなる前に電動機のトルクを引き下げて空転を収束させている。しかし、主電動機は台車に設置されているため、台車の振動が主電動機に伝わることにより、空転の誤検知が生じやすくなる。

誤検知を防止するためには、台車の振動によるノイズを減衰させる処理(平滑化)が必要となる。ここで、平滑化の時間幅を長く取れば誤検知は少なくなるが、電動機の制御性能が低下するという問題が生じる。この問題を解決するため、鉄道総研とJR貨物は、空転収束検知と空転検知で異なる回転加速度を用いるように空転収束検知の性能改善を行った。適切な時間幅で平滑化を行うことで、空転収束検知の遅れを改善するとともに、トルクの引き下げ量を低減する。

「空転誘発抑制制御」は、空転発生と空転収束により生じる空転軸の振動が、他の車軸に空転を誘発することを抑制するシステム。他の車軸を監視し、必要に応じて主電動機トルクを制御して、空転発生の頻度を低減し、けん引力の低下を防ぐ。

JR貨物がHD300形ハイブリッド機関車で性能試験を実施したところ、従来の制御方法と比べ、新制御方法ではけん引力が5パーセント以上向上することが明らかとなった。試験結果を受けて、同社はHD300形機関車全機への新制御方法の導入を開始しており、今後、新製機関車や他形式の機関車への導入を検討するとしている。

2014年10月15日(水)13時16分更新

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