駆け抜けた名列車

特急「ゆぅトピア和倉」 - 電車に併結した前代未聞の気動車特急

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「ゆぅトピア和倉」は、大阪~金沢間では485系10連(のちに9連も)に併結され、無動力アイドリング状態で運転された。北陸本線湯尾~南条間 1987年4月 写真=RGG

国鉄末期の1986(昭和61)年12月、大阪から七尾線和倉温泉まで直通する画期的な臨時特急が登場した。急行形気動車キハ65形を改造した専用の欧風車両を使用し、列車の名は「ゆぅトピア和倉」。当時未電化だった七尾線を走るため気動車としたのだが、そのままでは電化されている大阪~金沢間で高速運転の列車ダイヤに乗らない。このため、同区間では485系電車による特急「雷鳥」の編成後部に連結のうえブレーキのみ485系と協調し、エンジンは車内電源用にアイドリング状態、つまり電車に牽引される形で運転した。

当初は週末のみの運転であったが、バブル景気のレジャー需要の高まりもあり88(昭和63)年からは運転日が大幅に増えた。しかし、91(平成3)年には七尾線が和倉温泉まで電化され、電車特急「スーパー雷鳥」が直通運転を開始。これに引き継ぐ形で、「ゆぅトピア和倉」は短い生涯を終えた。

文・松尾彦孝

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    「ゆぅトピア和倉」にはキハ65形の先頭部をハイデッカーの展望室付き運転台とした車両を使用した。七尾線千路~羽咋間1987年11月 写真=高木英二(RGG)

<週刊朝日百科>歴史でめぐる 鉄道全路線 国鉄・JR

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