駆け抜けた名列車

急行「伊豆」 - 戦後に君臨した伊豆半島の代表列車

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湘南形80系電車時代の準急「伊豆」(ヘッドマークは「いづ」と表記されている)。先頭はクハ86形2次形である。伊東線伊豆多賀~網代間 1958年3月 写真=小川峯生

伊豆半島を走る列車として単純明快な名称が登場したのは、戦後日本の復興が軌道に乗った1953(昭和28)年のこと。東京~伊東、修善寺間で、それまで運転していた準急「あまぎ」を「伊豆」に改称した。当時の車両は湘南形80系で、80系の基本編成10連と付属編成5連から、サハ1両をサロに置き換え2等車を3両とした伊東行き10連と、当時600Vだった駿豆鉄道(現・伊豆箱根鉄道駿豆線)向けに、サハを抜いた4連が、熱海で分割・併合した。

59(昭和34)年には153系化され、61(昭和36)年12月には伊豆急行の開業に伴い、伊豆急下田まで延長。そして64(昭和39)年には急行に格上げされ、車両も157系にグレードアップ。68(昭和43)年からは、153系や165系の編成も充当された。

しかし69(昭和44)年には東京~伊豆急下田間に特急「あまぎ」が新設され、これに157系が充当される。「伊豆」は伊東線のフラッグシップの座を明け渡した。それでも運転本数を増やして健闘し、最盛期には不定期を含め下り10本、上り8本という態勢になっている。81(昭和56)年に185系に置き換えられた後、同年10月のダイヤ改定で特急「踊り子」に移行した。

文・松尾彦孝

<週刊朝日百科>歴史でめぐる 鉄道全路線 国鉄・JR

第17号(御殿場線・武豊線・伊東線)

2009年10月27日(火)発売

第17号の表紙画像
朝日新聞出版発行

  • ●懐かしい鉄道風景探しの旅/クロニクル御殿場線 大幹線からローカル線への数奇な歴史
  • ●追憶の廃線 清水港線、二俣線、岡多線、樽見線
  • ●駆け抜けた名列車 特別準急「朝霧」、急行「伊豆」
  • ●往年の車両たち 9850形蒸気機関車、D52形蒸気機関車ほか
  • ●今を走る車両 371系電車、小田急20000形電車ほか
  • 【連載】
    • 鉄道史の舞台/占領下の鉄道
    • あの日の小景/給水塔
    • 評伝・鉄道の人/石田禮助

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