駆け抜けた名列車

急行「雲仙」 - 本州と長崎を結んだ庶民の急行

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C57形195号機が牽引する急行「雲仙」。客車はスハ43系と10系主体の編成である。長崎本線長与~本川内間 1964年4月 写真=羽片日出夫

第2次大戦後の復興が進む中、1950(昭和25)年、東京~長崎間で運転していた急行列車が、長崎県を代表する山に由来した「雲仙」と名付けられた。これが長崎に登場した最初の愛称名付き列車である。その後、同じ区間に寝台特急「さくら」が登場し、急行「雲仙」の地位も低下するが、座席車が多いことから庶民にはこちらのほうが親しまれた。61(昭和36)年からは佐世保行きの「西海」との併結となるが、68(昭和43)年10月に、東京発着の「雲仙」は廃止される。

しかし、長崎県を象徴する名称は消滅することなく、京都~長崎間を単独で走る夜行急行として存続し、定期と不定期を合わせ3往復が設定された。75(昭和50)年の山陽新幹線全通では再び試練を受ける。今度は14系座席車モノクラス化のうえ、新大阪~長崎間1往復、佐世保行きの「西海」との併結列車となり、80(昭和55)年に廃止された。

文・松尾彦孝

<週刊朝日百科>歴史でめぐる 鉄道全路線 国鉄・JR

第32号(長崎本線・佐世保線・大村線・唐津線・筑肥線)

2010年2月16日(火)発売

第32号の表紙画像
朝日新聞出版発行

  • ●懐かしい鉄道風景探しの旅/クロニクル 所要時間短縮に努めた歴史 
  • ●追憶の路線 松浦線、佐賀線、世知原線、臼ノ浦線、柚木線
  • ●駆け抜けた名列車 特急「さくら」、特急「かもめ」、急行「雲仙」ほか
  • ●往年の車両たち C60形蒸気機関車、C57形蒸気機関車ほか
  • ●今を走る車両 783系電車、キハ66・67形気動車ほか
  • 【連載】
    • 鉄道史の舞台/外地の鉄道
    • 評伝・鉄道の人/辰野金吾

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