駆け抜けた名列車

特急「あすか」 - 関西本線を走破した史上唯一の特急列車

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不人気ゆえ短命に終わった特急「あすか」。3両目の食堂車キシ80は、すでに営業休止となっていた。島ケ原 1966年5月 写真=宮内明朗

特急「あすか」は、1965(昭和40)年3月のダイヤ改定で新設された。これは、時を同じくして誕生した、名古屋~天王寺間を紀伊半島の海岸沿いに行く特急「くろしお」と車両を共通運用としたもの。使用車種はキハ80系気動車。運転区間は名古屋~東和歌山(現・和歌山)間で、関西本線八尾と阪和線杉本町の間の貨物線を経由するという、ユニークなルートを採った。列車名は、日本史の舞台となった飛鳥地方に由来し、ヘッドマークには漢字で「飛鳥」と併記していた。

関西本線の大半の区間を走破する特急は史上初であり、既に好評を得ていた気動車準急「かすが」より格上の列車ということで、それにふさわしい列車名となったのである。同じ中京と関西を結ぶ路線でありながら、東海道本線より低い地位に甘んじてきた関西本線にあって、この特急への期待は高かった。しかし、大阪市の中心部を通らないことなどが災いしたのか、利用率は低迷。登場時にあった食堂車は、65(昭和40)年10月から営業休止となり、前途の険しさを想像させた。それから2年後、67(昭和42)年10月のダイヤ改定でこの列車は廃止され、ロマンに満ちた「あすか」の列車名も、短い生涯を終えた。

文・松尾彦孝

<週刊朝日百科>歴史でめぐる 鉄道全路線 国鉄・JR

第8号(関西本線・草津線・奈良線・おおさか東線)

2009年8月18日(火)発売

第8号の表紙画像
朝日新聞出版発行

  • ● 懐かしい鉄道風景探しの旅
  • ● クロニクル関西本線 東海道本線と旅客獲得競争も
  • ● 駆け抜けた名列車/特急「あすか」ほか
  • ● 往年の車両たち/DF50形ディーゼル機関車ほか
  • ● 今を走る車両/キハ85系気動車ほか
  • 【連載】
    • 鉄道史の舞台/特急形電車の発達史
    • あの日の小景/グリーン車
    • 評伝・鉄道の人/島 安次郎

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