駆け抜けた名列車

特急「おおぞら」 - 道民の期待を担って登場した北海道初の特急

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函館から札幌、釧路(当初は旭川も)を結ぶ北海道の代表的な特急列車「おおぞら」には、登場から約25年間、キハ80系が使用された。根室本線帯広~札内間 1979年2月 写真=小野純一(RGG)

1961(昭和36)年10月、貫通式のキハ82形を含むキハ80系気動車が全国各地に投入され、特急網が一気に拡充された。そのうち、北海道史上初の特急としてデビューしたのが、北海道の大自然を象徴した名称の「おおぞら」である。当初は函館~旭川間で運転し、編成は10連。初列車の発車式のシーンが後にNHKの連続テレビ小説「旅路」に出てくるほど、この特急の登場は画期的だった。翌年からは函館~釧路間と函館~旭川間の編成を併結するが、67(昭和42)年からは函館~釧路間のみの運転となる。

これとは別に、64(昭和39)年から函館~網走間と函館~釧路間の編成を併結し、特急「おおとり」が運転されていたが、70(昭和45)年に分離。この釧路編成が2往復目の「おおぞら」となった。また、72(昭和47)年には函館~旭川間の特急「北斗」のうち1往復を函館~釧路間編成の併結とし、これが3往復目の「おおぞら」となる。

80(昭和55)年からはキハ183系も加わり、さらに系統の見直しも続き、81(昭和56)年の石勝線開通時点では、函館~釧路間1往復、札幌~釧路間2往復となる。そのうち函館発着の列車は、千歳空港(現・南千歳)経由で札幌に到着、再び千歳空港まで戻って石勝線経由で釧路に向かうというルートを通った。その後の増発で一時80系が復活したが、86(昭和61)年にキハ183系化が完了。同時に函館~札幌間が廃止されている。85(昭和60)年以降の増発では、札幌~帯広間の列車があったが、90(平成2)年に「とかち」に改称。93~2001(平成5~13)年は、「まりも」を改称したキハ183系と14系寝台客車併結の夜行も設定されていた。現在は、キハ283系による「スーパーおおぞら」に統一され、7往復を運転している。

文・松尾彦孝

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    アイボリーにオレンジの帯という新塗色を纏うキハ183系500番台による「おおぞら」。4両目にはハイデッカーグリーン車キロ182形500番台が連結されている。根室本線尺別~音別間 1987年6月 写真=宮内明朗

<週刊朝日百科>歴史でめぐる 鉄道全路線 国鉄・JR

第19号(根室本線・富良野線)

2009年11月10日(火)発売

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朝日新聞出版発行

  • ●懐かしい鉄道風景探しの旅 十勝平野を抜け根釧台地へ 日本最東端444キロの鉄路
  • ●クロニクル根室本線 道東開拓の原動力の歴史
  • ●駆け抜けた名列車 特急「おおぞら」、急行「狩勝」、急行「まりも」ほか
  • ●往年の車両たち D51形蒸気機関車、キハ80系気動車ほか
  • ●今を走る車両 キハ183系気動車、キハ283系気動車ほか
  • 【連載】
    • 鉄道史の舞台/赤字ローカル線問題
    • 評伝・鉄道の人/石川啄木

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