鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

約600箱の荷物を時速360キロで輸送 JR東日本の「はこビュン」で多量輸送のトライアル

2023年5月20日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

JR東日本とジェイアール東日本物流は17日、列車荷物輸送サービス「はこビュン」による、多量輸送のトライアルを実施すると発表しました。

トライアルの舞台となる東北新幹線「はやぶさ」
トライアルの舞台となる東北新幹線「はやぶさ」

はこビュンは、新幹線や特急列車の車内に荷物を積み込み、輸送するサービス。早朝に水揚げされた魚介類や、同じく早朝に収穫された農産品を、新鮮なうちに都市部へ運び、午後には商品を店頭に並べる、といったことが可能。貨物列車のように、大きな荷物を運ぶことはできませんが、速達性に優れる新幹線や特急列車の特性を活かしたサービスです。

今回のトライアルで輸送する商品は、スーパーマーケットで販売する鮮魚・魚介類や惣菜・スイーツ・清酒、埼玉県内や都内に輸送する電子部品など。6月16日に運転する、10両編成の臨時列車「はやぶさ」72号のうち、6~8号車を荷物搭載車両として設定します。JR東日本によると、これまで1両まるごとを荷物スペースとし、最大で200個程度の荷物を輸送したことはあったそうですが、3両を使用する規模のものは初めてとのこと。これにより、約600箱の荷物を新幹線で運ぶことができます。

加えて、荷物の積み込み箇所が、新青森駅の構内ではなく、新青森駅付近の車両基地、盛岡新幹線車両センター青森派出所となっている(一部は盛岡駅で積み込み)のも、目新しいポイントです。車両基地を使うことで、駅ホームよりもスペースや時間の確保が可能となるのです。加えて今回は、無人搬送車(AGV)を試用し、搬送作業の生産性向上などについて検証するといいます。加えて、荷物を降ろす大宮駅では、屋上駐車場での荷捌きオペレーションについても検証します。

車両基地での積み込みイメージ
車両基地での積み込みイメージ

JR東日本では、2023年度中に新幹線車両基地を活用した多量輸送のトライアルを複数回予定しているとのこと。新幹線という地上最速の公共交通機関を活用した輸送サービスのさらなる拡大が期待されます。

鉄道コムお知らせ

画像

行きたいエリアに一票を

「青春18きっぷ」で行ってみたいエリアに投票してください。「旅と鉄道」共同企画

鉄道コムおすすめ情報

画像

京急ファミリーフェスタ

5月26日、久里浜工場にて開催。今年度は親子限定の事前申込制。

画像

東海道新幹線に「個室」

東海道新幹線にグリーン車以上の「個室」設置へ。1編成2室設置、2026年度中に提供開始予定。

画像

スタートレイン計画

JR北海道が「赤い星」「青い星」導入計画「スタートレイン計画」を発表。2026年春デビュー。

画像

東武の新型「80000系」

野田線用の新型車両。2025年春より5両編成25本を導入。一部中間車は60000系から転用。

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

4月の鉄道イベント一覧

いよいよ新年度。本年度も鉄道コムをよろしくお願いします。鉄道旅行や撮影の計画は、イベント情報から。