鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

東北向けEH500形の日本海縦貫線乗り入れ対応車拡大へ 災害発生に備えた取り組み

2023年4月1日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

JR貨物は、3月31日に発表した2023年度の設備投資計画において、EH500形電気機関車を日本海縦貫線(羽越本線や北陸本線など)で走らせるための改造を、東北本線などで活躍する48両に対し実施していくと発表しました。

JR貨物のEH500形
JR貨物のEH500形

EH500形は、2車体を連結した構成の電気機関車。交流区間と直流区間の双方を走れる車両で、東北本線を中心に、貨物列車のけん引で活躍しています。かつては青函トンネルの通過にも対応しており、2015年の北海道新幹線開業前は、青森~函館(五稜郭)間で見ることもできました。

日本海縦貫線は、東海道本線や東北本線が被災した場合に、バイパスルートとして機能することが期待されています。たとえば、東海道本線が災害で不通となった場合、日本海縦貫線と、高崎線・上越線を使えば、首都圏と近畿・九州方面や東北・北海道方面の輸送を継続することができます。

う回運転のイメージ
う回運転のイメージ

この際、輸送の柔軟性を高めるには、普段は別路線で使用している機関車を、う回ルートでも使用できるようにすることが必要です。JR貨物では、2021年度にこのEH500形の改造に着手し、2022年度には18両を改造。そして今回、仙台総合鉄道部に所属する48両に、改造対象が広げられたのです。

JR貨物では、2011年の東日本大震災の際には磐越西線で、2018年の西日本豪雨の際には伯備線・山陰本線で、それぞれう回貨物列車を運転しました。近年、災害が激化する中で、鉄道路線は毎年のようにどこかで被災し、不通となっています。そのような中でも物流を止めることがないよう、JR貨物の対策が進められています。

鉄道コムお知らせ

画像

行きたいエリアに一票を

「青春18きっぷ」で行ってみたいエリアに投票してください。「旅と鉄道」共同企画

鉄道コムおすすめ情報

画像

東武の新型「80000系」

野田線用の新型車両。2025年春より5両編成25本を導入。一部中間車は60000系から転用。

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

車掌車なしの「SL大樹」

東武鉄道の「SL大樹」が、車掌車の連結なしでの運転を開始。C11形123号機けん引限定。

画像

京成宗吾車両基地拡充へ

宗吾車両基地の拡充工事起工式が11日に開催。工事概要などをご紹介します。

画像

ニコン「Z f」で鉄道写真

ヘリテージデザインのカメラ、ニコン「Z f」。見た目ばかりが話題になる同製品ですが、鉄道撮影では使えるのでしょうか。

画像

4月の鉄道イベント一覧

いよいよ新年度。本年度も鉄道コムをよろしくお願いします。鉄道旅行や撮影の計画は、イベント情報から。