鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

日本各地に広がる新幹線、その計画は戦前から 過去には蒸気機関車による計画も

2022年12月29日(木) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

鉄道開業150周年となる2022年は、多くの新幹線開業から周年を迎える「新幹線イヤー」でした。この「新幹線イヤー」は、東北新幹線(1982年部分開業)や山形新幹線(1992年部分開業)、北陸新幹線(1997年部分開業)などを有するJR東日本が展開するプロモーション企画の名称ですが、ほかにも山陽新幹線(1972年部分開業)や西九州新幹線(2022年開業)といった路線の節目にも当たります。

日本各地を結ぶ新幹線
日本各地を結ぶ新幹線

そんな新幹線が日本で開業したのは、1964年10月のこと。ですが、新幹線のような高速鉄道は、それ以前から建設が計画されていました。

よく知られているのは、戦前に計画された「弾丸列車」。東海道・山陽本線の輸送力増強を目指した標準軌路線で、東京~下関間を約9時間で結ぶ計画でした。また、電車方式を採用している現在の東海道・山陽新幹線と異なり、電気機関車または蒸気機関車がけん引する方式で検討が進められていました。

弾丸列車用の蒸気機関車の模型(鉄道博物館蔵)
弾丸列車用の蒸気機関車の模型(鉄道博物館蔵)

弾丸列車の建設は1940年に帝国議会で可決され、工事が進められました。がしかし、国が戦争に突き進む中で情勢が悪化し、工事は中断。建設はそのまま放棄されてしまいました。

ただし、最終的に完成に至った日本坂トンネルや、途中で工事が中断した新丹那トンネルなど、一部の弾丸列車の設備は、後の東海道新幹線の建設に活かされています。また、新幹線の英語訳としては、「Shinkansen」のほかに「Bullet Train」というものも。こちらは直訳すれば弾丸列車となり、当時の名称が今も残っている形となっています。

さらに時代をさかのぼると、1907年には東京~大阪間を6時間で結ぶ私鉄「日本電気鉄道」の計画が持ち上がっていました。現代の基準で見れば低速ですが、当時としてはかなりの高速鉄道とする目標だったこの路線。残念ながら政府によって出願は却下されてしまいましたが、鉄道開業からたった35年でこのような計画が持ち上がるほど、日本の黎明期の鉄道は急成長していたのです。

鉄道コムお知らせ

画像

行きたいエリアに一票を

「青春18きっぷ」で行ってみたいエリアに投票してください。「旅と鉄道」共同企画

鉄道コムおすすめ情報

画像

渋谷駅新駅舎7月開業

渋谷駅南側の新駅舎が、7月21日に一部供用開始。駅南側の「新南改札」が新駅舎に移転。

画像

京急ファミリーフェスタ

5月26日、久里浜工場にて開催。子ども向けのイベントが中心で、今年度は親子限定の事前申込制。

画像

東海道新幹線に「個室」

東海道新幹線にグリーン車以上の「個室」設置へ。1編成2室設置、2026年度中に提供開始予定。

画像

スタートレイン計画

JR北海道が「赤い星」「青い星」導入計画「スタートレイン計画」を発表。2026年春デビュー。

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

4月の鉄道イベント一覧

いよいよ新年度。本年度も鉄道コムをよろしくお願いします。鉄道旅行や撮影の計画は、イベント情報から。