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特急「はるか」に存在する謎のスペースとは?

2022年8月13日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

JR西日本が関西国際空港へのアクセス列車として運行している特急「はるか」。この列車に使われる281系では、関西空港方の先頭車に、客室ではない謎のスペースがあります。これは一体何なのでしょうか?

特急「はるか」用の281系。運転席の後ろに、謎のスペースが設置されています
特急「はるか」用の281系。運転席の後ろに、謎のスペースが設置されています

大きなJRのロゴが描かれたこのスペースは、かつて荷物室として使われていたもの。JR西日本ではかつて、京都駅構内の「京都シティエアターミナル(京都CAT)」でのチェックイン時に預かった航空機搭乗者の預け入れ手荷物を、「はるか」で輸送するサービスを提供していたのです。

国際線の利用時には手荷物が大きくなりがちで、これを空港まで持っていくのは手間がかかります。その不便を解消するのが、空港ではなく街中でチェックインや荷物の預け入れができる「インタウンチェックイン」。かつては京都CATのほか、東京・箱崎の「東京シティエアターミナル(T-CAT)」、大阪・難波の「大阪シティエアターミナル(OCAT)」などが設けられ、各CATから空港まで手ぶらで移動することができました。

281系の荷物スペースは、ここで預かった荷物を輸送するためのスペース。T-CATではリムジンバスの床下に積載していましたが、京都CATでは列車に積み込む形となっていました。他にも、OCATでは難波駅(JR難波駅)始発の関空快速や南海の特急「ラピート」に積載しており、223系や南海50000系にも荷物スペースが設けられました。

281系の荷物スペース
281系の荷物スペース

しかしながら、2001年に米国で発生した同時多発テロによるセキュリティ強化などを理由に、これらのサービスは相次いで終了。223系の荷物スペースは一般客室となりましたが、「はるか」と「ラピート」の荷物スペースは、今もそのまま残された形となっています。

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