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実は色々な車両基地、どんなものがある?

2023年1月27日(金) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

列車に乗車中、終点に近づくと、「この列車は到着後、回送列車となり、車庫に入ります」という放送が入ることがあります。鉄道の車庫、あるいは車両基地は、車両を留め置くための設備ですが、一言で車両基地といっても様々な種類があります。

車両基地といっても様々
車両基地といっても様々

まず最初に思い浮かべるのが、使用しない車両を留置するための施設。閑散時間帯に車両を留置するために多くの線路を有しており、数日から数か月に一度程度実施する比較的簡単な検査のための検修庫も設置されています。会社によって名称はさまざまですが、JR東日本では「〇〇車両センター」という名前を使用しています。

さらに大きな施設が「工場」。こちらは、自動車の車検に相当する「全般検査」や「重要部検査」といった大規模な検査を実施するための施設です。JR東海の名古屋工場のような工場だけが独立した施設のほか、JR東日本の東京総合車両センターのように、工場機能と車両留置機能の双方を持った施設があります。

JRではほかにも、「運転所」や「機関区」といった組織があります。これらは主に車両とともに乗務員の基地にもなっている組織ですが、一部では車両の配置がないものも。会社によって異なる、というわけではなく、たとえばJR貨物の吹田機関区はEF66形やEF210形などが配置されている車両基地ですが、同じくJR貨物の広島機関区は、乗務員のみの配置箇所となっています。

また、乗務員基地となっている運輸区などでも、車両の配置はないものの、留置線を有しているところも。JR東日本の宇都宮運輸区やJR東海の浜松運輸区などは、所属する車両はありませんが、構内の留置線で休む車両を見ることができます。

過去に実施された宇都宮線・日光線E131系の報道公開。宇都宮運転所(当時)構内の留置線で開催されました
過去に実施された宇都宮線・日光線E131系の報道公開。宇都宮運転所(当時)構内の留置線で開催されました

ところで、冒頭の「この列車は~」の放送に出てくる「車庫」ですが、厳密には車両のねぐらである「庫」ではなく、折り返す際に一時的に使用する「引き上げ線」であるということもよくあります。とはいえ、一般の利用者への案内では「このまま乗ることはできない」と伝わればいいので、ささいなことなのかもしれませんね。

 

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