鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

長き伝統と衰えぬ人気 ツートンカラーの始祖「湘南色」

2022年6月18日(土) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

鉄道車両には、路線区分や個性の強調などを目的に、様々な色が施されています。なかには長い歴史をもつものもありますが、とくに人気が高いものに「湘南色」が挙げられます。

「湘南色」をまとう113系電車(関西地区で撮影)
「湘南色」をまとう113系電車(関西地区で撮影)

湘南色は1950年、東海道線の東京~熱海間などを走る80系電車に施されたのがはじまりです。当時、国鉄の電車は茶色一色が多く、オレンジと緑という明るめの配色は話題を集めたのだとか。その走ったエリアから「湘南色」、「湘南電車」などと呼ばれ、東海道線首都圏エリアのシンボルに君臨。別の路線や地域にも波及しました。ちなみに、この色の組み合わせは、アメリカのグレート・ノーザン鉄道の配色、東海道線沿線のミカン畑を参考にしたなどの説があります。

1985年投入のステンレス車両211系にも、伝統の湘南色は車体帯として残り、長年の文化がすたれることはありませんでした。そして、現在も走るE231系やE233系にも受け継がれてはいますが、同形式では緑色の部分が明るめに変更されており、国鉄世代の車両とは少し印象が異なります。伝統の中にも時代の変化が見られるひとつの例です。

昔の湘南電車とは少し違う現在の色合いに、物足りなさを感じる方もいるでしょう。そんな声に応えたのか、品川駅構内の郵便ポストや藤沢駅の売店は、かつての湘南電車を模したものとなっています。この色が多くの人に親しまれていた証といえるでしょう。往年の思い出は、いまもまだ、そこにあるのです。

湘南色の80系電車をモチーフにした藤沢駅売店「NewDays 藤沢5号」
湘南色の80系電車をモチーフにした藤沢駅売店「NewDays 藤沢5号」

関連鉄道リポート

鉄道コムお知らせ

画像

行きたいエリアに一票を

「青春18きっぷ」で行ってみたいエリアに投票してください。「旅と鉄道」共同企画

鉄道コムおすすめ情報

画像

渋谷駅新駅舎7月開業

渋谷駅南側の新駅舎が、7月21日に一部供用開始。駅南側の「新南改札」が新駅舎に移転。

画像

京急ファミリーフェスタ

5月26日、久里浜工場にて開催。子ども向けのイベントが中心で、今年度は親子限定の事前申込制。

画像

東海道新幹線に「個室」

東海道新幹線にグリーン車以上の「個室」設置へ。1編成2室設置、2026年度中に提供開始予定。

画像

スタートレイン計画

JR北海道が「赤い星」「青い星」導入計画「スタートレイン計画」を発表。2026年春デビュー。

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

4月の鉄道イベント一覧

いよいよ新年度。本年度も鉄道コムをよろしくお願いします。鉄道旅行や撮影の計画は、イベント情報から。