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小田急ロマンスカー、その伝統カラーの生みの親

2021年12月8日(水) 鉄道コムスタッフ 野田坂秀陽

ロマンスカーは、1949年に新宿と小田原を結ぶ特急列車として運行を開始しました。小田急初の特急列車は前年に運行が始まっていましたが、こちらは通勤型車両によるもの。一方、1949年デビューの1910形では、クロスシートと喫茶サービスを備えた、当時としては豪華な車両となりました。

ですが、現代の私たちの想像する綺麗な流線形のボディに赤を基調としたカラーをまとう車両が登場したのは、1957年の3000形SE車が最初です。SE車のカラーリングは伝統となり、特にバーミリオンオレンジは初代EXEを除く現在走るすべてのロマンスカーに使われています。そんなSE車のデザイナーは、伝統の創始者といえるでしょう。

現在はロマンスカーミュージアムに展示されている3000形「SE」
現在はロマンスカーミュージアムに展示されている3000形「SE」

その方とは、秦野市などで活躍した洋画家・宮永岳彦さんです。宮永さんは、油絵や水墨画の作品を製作しつつ、ポスターやパッケージデザインなども幅広く手掛けていました。中でも有名なのが、「ぺんてるくれよん」のイラスト。向かい会って絵を描く二人の子供の絵をご存じの方も多いのではないでしょうか。

SE車のデザインにあたっては「革新」が強く意識されたようです。SE車は新宿~小田原間を60分で結ぶ(それまでは約90分)という目標を達成するため、連接台車・流線形・軽量車体と、当時の新しい技術を集約して作った革新的な車両です。そこで見た目にも新しさが求められました。宮永氏が用いたのは、バーミリオンオレンジ・ホワイト・グレーの3色。それまで特急に使用されていたかぼちゃ色塗装の1910形とは印象が大きく異なる、独自性と高級感を兼ね備えた色となりました。

画家として広く活躍し、ロマンスカーのデザインを手がけた宮永さん。彼の経歴を記念した美術館が、小田急線秦野駅近くにあります。小田急らしさに大きく貢献した宮永さんに興味を持たれた方は、この美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。

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