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「宝塚記念」開催時に阪急今津線を走った「19年ぶり」のレア列車 今後の設定有無は? 阪急に聞く

2025年6月21日(土) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

阪急今津線では、沿線にある阪神競馬場でレースが開催され、多くの旅客が集中する際に、臨時列車が運転されています。神戸線と今津線の接続駅である西宮北口駅と、阪神競馬場の最寄り駅である仁川駅との間で臨時列車(各駅停車)が走るほか、メインレース終了後は仁川駅始発の大阪梅田駅行き臨時急行が出ることも。この臨時急行は、阪急ファンからは「馬急」という名前で呼ばれています。

鉄道ファンには「馬急」と呼ばれる、阪神競馬開催時の臨時急行。写真は2016年に運転された大阪梅田駅行きの「上り馬急」です
鉄道ファンには「馬急」と呼ばれる、阪神競馬開催時の臨時急行。写真は2016年に運転された大阪梅田駅行きの「上り馬急」です

6月15日、阪神競馬場で、GIレース「宝塚記念」が開催されました。宝塚記念は、有力馬が数多く集まるグランプリレース。当日は多数の来場者が見込まれたことから、今津線では朝から、仁川駅行きの臨時列車が運転されていました。

この日の臨時列車で最大の注目ポイントは、「西宮北口→仁川間の臨時急行」が運転されたことです。

「馬急」は年に数回(主にGIレース開催時)、仁川駅発大阪梅田駅行き(上り列車)で設定される機会がありますが、逆方向である仁川駅行き(下り列車)の設定は、近年ありませんでした。阪急の広報に話を聞いたところ、「下り馬急」は、2006年10月のダイヤ改正で廃止されて以来、約19年ぶりの復活だといいます。

また、以前走っていた「下り馬急」は大阪梅田駅始発で、西宮北口駅を通過していました。しかし、前述のとおり、今回復活した「下り馬急」は西宮北口駅始発。毎年走っている上り列車を含め、同駅で客扱いをする「馬急」は、これが初めてのことだそうです。

今回設定された「下り馬急」は、計18本。西宮北口駅9:05発から11:55発まで10分間隔で運転されました。途中の停車駅はなく、西宮北口駅を出ると、終点の仁川駅までノンストップ。仁川駅到着後は回送列車で折り返し、西宮北口駅に戻るという運転形態でした。

ちなみに、この運用に充当された編成は2本で、どちらも5000系。同形式の優等運用は、今津線用車両となってから初めてで、5000系としても5年ぶりのこととなりました。

2020年2月まで見られた、5000系の特急運用。5000系は同線の運用を外れてから、「下り馬急」の復活まで優等運用に入ることはありませんでした
2020年2月まで見られた、5000系の特急運用。5000系は同線の運用を外れてから、「下り馬急」の復活まで優等運用に入ることはありませんでした

今回、突如復活した「下り馬急」。次回以降のGI開催時にも走る可能性があるのかを広報担当者に聞いたところ、「今後については検討中であり、未定」との回答でした。復活した「下り馬急」が再び見られるかはわかりませんが、阪神競馬場での大レース開催時は、今津線に注目してみてもよいかもしれません。

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