鉄道コム

鉄道コらム

「短距離」を走る夜行列車が登場! 40年前の列車もモチーフに? 万博にあわせ5月に運転

2025年4月19日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

JR西日本は、大阪・関西万博の開催にあわせ、「WEST EXPRESS 銀河」を特別ルートで運転します。

WEST EXPRESS 銀河
WEST EXPRESS 銀河

WEST EXPRESS 銀河は、JR西日本が「新たな長距離列車」として2020年9月に営業運転を開始した列車。京阪神を中心に、山陰方面、山陽方面、紀南方面と、シーズンごとに行先を変えて運転されています。

6号車のグリーン個室「プレミアルーム」。画像のように背もたれを倒すと、ベッドとして利用できます
6号車のグリーン個室「プレミアルーム」。画像のように背もたれを倒すと、ベッドとして利用できます
1号車の「ファーストシート」。こちらも背もたれを倒せばベッドとなります
1号車の「ファーストシート」。こちらも背もたれを倒せばベッドとなります

今回この列車が走るのは、先の主な3方面ではなく、敦賀~新大阪間。それも夜行列車としての運転です。敦賀駅発では、敦賀駅を21時30分過ぎに出発し、新大阪駅には翌7時過ぎに到着。新大阪駅発では、新大阪駅を23時前に発ち、敦賀駅には翌7時過ぎの到着です。新大阪~敦賀間では、特急「サンダーバード」が1時間20分程度(湖西線経由)で走破しているため、今回のWEST EXPRESS 銀河は、定期列車よりも最大で7倍以上の時間を要していることになります。

このような列車が設定された背景には、ホテルに宿泊せず、朝早くから、または夜遅くまで、万博会場に滞在できるように、との考えがあったよう。寝ながら移動できる夜行列車のため、時間を有効活用することができるのです。

また、JR西日本では、今回のWEST EXPRESS 銀河は、1985年の「つくば万博」開催時に運転された「エキスポドリーム号」を彷彿とさせる列車と説明しており、同列車もモチーフとしているようです。

エキスポドリーム号は、土浦~万博中央(臨時駅、その後ひたち野うしく駅として事実上復活)間で運転された、臨時夜行列車。会場周辺のホテル不足を補うことを目的に設定されていました。走行距離は約9キロと非常に短く、土浦駅で乗客を乗せた後は、一度同駅の留置線に引き上げ、翌朝に万博中央駅へと向かっていました。

今回のWEST EXPRESS 銀河は、130キロ程度(湖西線経由)ないし150キロ程度(米原経由)と、つくば万博時のエキスポドリーム号と比較すれば長い距離ですが、それでも夜行列車としては短い距離を走るのは、40年前の万博と同じです。なお、今回の臨時列車は、かつてのエキスポドリーム号と同様、「途中駅で約6時間~7時間ほど停車」(JR西日本広報担当者)するといいます。

敦賀~新大阪間を夜行列車で走るWEST EXPRESS 銀河は、敦賀駅発が5月23日発、30日発、新大阪駅発が5月24日発、31日発の設定。いずれも旅行商品としての販売で、「みどりの窓口」などできっぷを購入して乗車することはできません。また、ツアーでのWEST EXPRESS 銀河乗車は片道のみで、往路または復路は各自移動です。

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

側面はふたたびラッピングに

京急が2025年度に1000形8連2本の導入を発表。側面は「塗装」から「ラッピング」に戻る形に。

画像

JR東海の311系、6月末引退

名古屋圏で活躍した311系が6月末で定期運用終了。引退前の記念装飾掲出、廃車回送乗車ツアーも。

画像

「緑色のサザン」復活

特急「サザン」用の南海10000系1本が、6月からデビュー時の濃淡グリーンのツートンカラーに。

画像

名鉄の新型車両「500系」

既存の100系を置き換える車両。鶴舞線直通用として、2026年度より順次導入。

画像

ニコン「Z5II」の実力は?

スタンダード機でも性能充実! 鉄道カメラマンの助川康史さんが、ニコンの新ミラーレスカメラ「Z5II」の魅力をご紹介します。

画像

5月の鉄道イベント一覧

新緑がまぶしい季節となりました。5月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。