東京メトロと東武鉄道は4月17日、有楽町線延伸区間（豊洲～住吉間）と、東武スカイツリーラインなどとの相互直通運転について基本合意したと発表しました。
有楽町線の延伸区間は、現在線の豊洲駅から分岐し、東陽町駅などを経由して、半蔵門線の住吉駅に至る路線です。今回合意した内容では、住吉駅から半蔵門線に乗り入れる形で、有楽町線と東武スカイツリーラインを直通するとしています。
今回の直通運転合意自体は新しい情報なのですが、有楽町線と半蔵門線は、もともと直通運転することが考えられていました。
現在は豊洲～住吉間の建設が進められている有楽町線延伸区間（分岐線）ですが、国の都市交通審議会→運輸政策審議会→交通政策審議会による答申では、分岐線は豊洲～住吉～押上～四ツ木～野田市間の路線と位置付けられています。また、有楽町線分岐線が乗り入れることとなった半蔵門線も、国の答申では、押上～四ツ木～松戸間を延伸することが盛り込まれています。
有楽町線と半蔵門線は、今回発表された住吉～押上間のほか、延伸構想がある押上～四ツ木間でも、線路を共用することとされてきました。
半蔵門線の住吉駅は、現在は単なる中間駅なのですが、ホームは上下2層構造となっています。現在は乗降用はホーム片側しか使用していませんが、将来有楽町線が延伸開業した際には、半蔵門線の向い側に有楽町線の列車が発着することとなります。なお、将来の有楽町線用のホームは、現在は半蔵門線の留置線として活用されています。
押上駅も、将来の野田市・松戸方面延伸に対応した構造となっています。現在は外側の1・4番線が東武線直通用ホームで、内側の2・3番線が渋谷方面の折り返しホームですが、延伸時には2・3番線が野田市・松戸方面に向かう列車が発着するホームになる予定。2・3番線の線路の北側は行き止まりとなっていますが、トンネルは右にカーブした形となっており、四ツ木方面への延伸を見据えた構造となっています。
野田市や松戸市など、有楽町線と半蔵門線の延伸構想がある地域の自治体などは、延伸路線を「東京直結鉄道」と呼び、早期実現を働きかけています。しかしながら、現時点では具体的な建設に向けた動きは見られません。
一方の、現在建設が進められている有楽町線延伸区間の開業は、2030年代半ばを予定。住吉駅の半蔵門線・有楽町線直通に対応した構造は、2003年の半蔵門線住吉駅開業から約30年の時を経て、ようやく本来の機能を発揮することになります。
ちなみに、有楽町線延伸線の起点となる豊洲駅も、すでに延伸線用のスペースが存在します。和光市方面と新木場方面の各ホームの間には、延伸線用に構築された2・3番線の線路があるのですが、現在は豊洲駅の混雑緩和のため、線路が板で覆われて通路に転用されている状態です。
