私鉄の中でも規模が大きい事業者は、大手私鉄と呼ばれています。ただ、同じ大手私鉄というくくりであっても、その路線網の総延長はさまざま。500キロ以上の営業路線を持つ会社がある一方、50キロに満たない路線網の会社もあります。

特に2025年は、4月1日に京成電鉄と南海電気鉄道が、それぞれの子会社、すなわち新京成電鉄と泉北高速鉄道を吸収したため、大手私鉄各社の路線総延長ランキングに変動がありました。各社のランキングを見ていきましょう。
最も営業路線の総延長が長いのは、近畿日本鉄道。関西圏から名古屋圏まで23路線(ケーブルカー含む、ロープウェイ除く)を運営しています。総延長は501.1キロで、私鉄では唯一500キロを超える事業者です。

関東で最も営業キロが長いのは東武鉄道。総延長463.3キロ、12路線を保有しています。一方、路線総延長が最も短いのは、こちらも関東私鉄の相模鉄道。3路線42.2キロの小所帯で、旅客列車が走らない貨物線「厚木線」を含めても、総延長は44.4キロです。なお、関西私鉄で路線総延長が最も短いのは、48.9キロの阪神電気鉄道です。

4月1日で新京成電鉄を吸収合併した京成電鉄は、2024年度までは7路線152.3キロの路線を運営していました。今回、新京成線(26.5キロ)を京成松戸線として同社の路線網に組み入れた結果、京成の路線総延長は178.8キロに。それまで路線総延長ランキング5位だった西武鉄道(176.6キロ)を抜き、順位は7位から5位へ上昇しました。
同じく泉北高速鉄道を吸収した南海電気鉄道は、2024年度までの路線総延長は154.7キロ(ケーブルカー含む)でした。今回の合併では、泉北高速鉄道線(14.3キロ)が南海泉北線となり、南海の路線総延長は169.0キロとなりました。しかしながら、一つ上の順位だった西武鉄道を抜くことはできず、さらに京成電鉄に順位を逆転されたことから、総延長ランキングは6位から7位へと後退しています。
順位 | 社名 | 路線総延長 | 2024年度の順位 |
---|---|---|---|
1位 | 近畿日本鉄道 | 501.1キロ | 1位【→】 |
2位 | 東武鉄道 | 463.3キロ | 2位【→】 |
3位 | 名古屋鉄道 | 444.2キロ | 3位【→】 |
4位 | 東京メトロ | 195.0キロ | 4位【→】 |
5位 | 京成電鉄 | 178.8キロ | 7位【↑】 |
6位 | 西武鉄道 | 176.6キロ | 5位【↓】 |
7位 | 南海電気鉄道 | 169.0キロ | 6位【↓】 |
8位 | 阪急電鉄 | 143.6キロ | 8位【→】 |
9位 | 小田急電鉄 | 120.5キロ | 9位【→】 |
10位 | 東急電鉄 | 110.7キロ | 10位【→】 |
11位 | 西日本鉄道 | 106.1キロ | 11位【→】 |
12位 | 京阪電気鉄道 | 91.1キロ | 12位【→】 |
13位 | 京浜急行電鉄 | 87.0キロ | 13位【→】 |
14位 | 京王電鉄 | 84.7キロ | 14位【→】 |
15位 | 阪神電気鉄道 | 48.9キロ | 15位【→】 |
16位 | 相模鉄道 | 42.2キロ | 16位【→】 |