4月23日、Netflixが「新幹線大爆破」のリブート作品の配信を開始しました。そのあらすじは、「東京へ向かう新幹線に、爆弾が仕掛けられたとの情報が入る。爆弾は、列車の速度が時速100キロを下回ると爆発するという。着々と近づく終着駅。鉄道人たちが、乗客を救うために力を尽くす」というもの。その予告映像では、新幹線車両(JR東日本のE5系)が爆発しているようなシーンも見られます。
ちなみに、このシーンで破壊されているのは実物……ではありません。映像作品のために車両を犠牲にすることは、さすがに難しいのでしょう。しかし、その選択肢が「絶対にナシ」というわけでもないようです。実際、映像作品の撮影のために、ホンモノの鉄道車両が実際に爆破された事例が、過去にはありました。
爆破シーンが見られるのは、「西部警察PART-II」の18話(1982年10月放送)。爆破された車両は、広島電鉄で当時の主力車両だった750形。1965年に大阪市交通局(大阪市電)から譲渡された車両です。

この話の内容は、「広島に逃げてきた凶悪犯が、7人の乗客を人質に路面電車をジャック。犯人は、身代金の用意がなければ電車を爆破すると宣言する。大門圭介率いる刑事集団『大門軍団』が人質を救うべく、路面電車を追う」というもの。彼らが人質を助けた直後、750形は爆破され、激しい炎に包まれたのです。ホンモノの、さらに現役の車両を爆破するという特殊な撮影だったためか、そのシーンのロケには多くの観衆が集まったのだとか。
また、1978年公開の映画「皇帝のいない八月」では、撮影において、レプリカながら実物大の車両模型を爆破していました。これは、国鉄の協力を得られない中で寝台列車の襲撃シーンを再現するため。北海道の古い客車をブルートレインの14系客車に仕立て上げ、撮影されたといいます。
このほか、特撮作品では、ゴジラシリーズの作品「シン・ゴシラ」(2016年公開)などで鉄道車両の爆破シーンが見られます。こちらはCGですが、爆弾を積んだN700系新幹線や、山手線や京浜東北線、中央快速線の車両が、東京都心に現れたゴジラを撃退すべく突撃します。過去のゴジラ作品において、鉄道車両は投げられる、踏みつぶされる、噛みちぎられるなど、散々な目に遭っているのですが、ここで一度、相討ちながらゴジラに対する復讐を果たしたことになります。

また、アニメ作品では、「新幹線大爆破」と似たシチュエーションが、「名探偵コナン」の劇場作品「時計じかけの摩天楼」(1997年公開)で見られます。該当部分の内容は、「コナンたちが住む街を走る東都環状線の施設に爆弾が仕掛けられ、電車の速度が時速60キロを切ると爆発する」というもの。ブルーの帯の205系が、乗客を守るために奔走します。
