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113系などの基にもなった、日本初の「量産型交直流電車」が鉄道模型に! TOMIXが1月に発売

2025年2月8日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

トミーテックは、同社の鉄道模型ブランド「TOMIX」の製品として、「国鉄 401系近郊電車(高運転台・新塗装)」を1月に発売しました。

TOMIX「国鉄 401系近郊電車(高運転台・新塗装)基本セット」の試作品(画像:トミーテック)
TOMIX「国鉄 401系近郊電車(高運転台・新塗装)基本セット」の試作品(画像:トミーテック)

401系は、1960年に登場した交直両用電車。交流電化区間と直流電化区間を行き来できる量産型電車としては、日本で初めての車両です。この車両は、交流電化区間は50ヘルツのみに対応していましたが、同じ設計で交流60ヘルツ対応の421系も1960年に登場。後に、モーター出力を向上した403・423系を経て、50・60ヘルツ両対応の415系につながっています。

401系などの流れを汲む415系鋼製車。2022年に運用を離脱しています
401系などの流れを汲む415系鋼製車。2022年に運用を離脱しています

401・421系は、当初は運転台の位置が低い構造(低運転台車)として製造されましたが、1961年以降(401系では1962年以降)製造の車両では、運転台位置が高い設計(高運転台車)に変更されました。また、登場時はローズピンクにクリーム色の塗装となっていましたが、常磐線では「つくば万博」(1985年開催)を前に、白地に青帯の新塗装が登場。この塗装は、後に九州にも波及しました。

今回の製品は、この新塗装となった高運転台車がモデル。非冷房で、前照灯が大きい「デカ目」、そして新塗装という、1983年以降に常磐線や水戸線で見られた姿となっています。製品は4両編成で、価格は「基本セット」が2万3100円、「増結セット」が1万7490円です。

ちなみに、国鉄の代表的な平坦線向け直流近郊型車両である113系……の基となった111系は、車体は401・421系をベースとしていました。1960年ごろの東海道本線では、2扉車の80系などが使われており、混雑対応が必要とされていました。そこで、実績のあった3扉車の401・421系をベースとし、111系が登場。1962年に営業運転を開始しました。

その後、401系→403系と同様に、111系のモーター出力をアップした113系が1963年に登場。同年には、111系をベースとした勾配線区向けの直流近郊型車両である115系も、営業運転を開始しています。

国鉄近郊型車両の115系。車体の設計は111系ベースでした。その111系は401系の車体をベースとしており、401系と繋がりがあります
国鉄近郊型車両の115系。車体の設計は111系ベースでした。その111系は401系の車体をベースとしており、401系と繋がりがあります

今回製品化された401系や、同じグループの403系、421系、423系は、すでに全車両が引退済み。415系も、211系スタイルのステンレス車体を持つ車両は九州で現役ですが、401系の流れを汲む鋼製車は、すでに運用がありません。401系から派生した車体を持つ113系、115系も、すでにJR西日本としなの鉄道(115系のみ)に残るのみとなっており、こちらも現在は廃車が進んでいます。

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