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最長列車は所要時間「6時間弱」! 在来線の昼行特急でもっとも長い距離を走るのは?

2025年4月29日(祝) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

現在の日本では、東京から各方面に向かって新幹線網が伸びる一方、在来線特急が活躍している地域も存在します。特に長い距離を走る在来線特急では、一部の新幹線より長い距離を走るものも。そんな長距離在来線特急のうち、上位3位をご紹介しましょう。

日本の昼行在来線特急で最も長い距離を走るのは?(イメージ)
日本の昼行在来線特急で最も長い距離を走るのは?(イメージ)

3位は、鳥取駅と新山口駅を結ぶ「スーパーおき」。同列車は鳥取・松江~新山口間で3往復が運転されており、うち1.5往復が全区間378.1キロ(営業キロ、以下在来線は同じ)を走る列車となっています。この走行距離は、上越新幹線の「とき」(東京~新潟間300.8キロ(実キロ、以下新幹線は同じ))や、西九州新幹線の「かもめ」(66.0キロ)など、路線・運転区間が短い一部の新幹線列車よりも長いものとなっています。

「スーパーおき」などに使われるキハ187系
「スーパーおき」などに使われるキハ187系

2位にランクインしたのは、北海道を走る「宗谷」。札幌~稚内間396.2キロを結ぶ列車で、日本最北端の駅に向かう「最北の特急」です。なお、「宗谷」が走る宗谷本線では、他にも旭川~稚内間を走る特急「サロベツ」(走行距離259.4キロ)が運転されています。

走行距離2位の特急「宗谷」
走行距離2位の特急「宗谷」

広大な大地が広がる北海道では、「宗谷」の他にも、長距離を走る特急列車が運転されています。函館~札幌間の「北斗」は8位、札幌~釧路間の「おおぞら」は6位、札幌~網走間の「オホーツク」は4位と、「宗谷」を含めて4つの列車が、在来線昼行定期特急列車の走行距離上位10位以内にランクインしています。

そして、在来線特急で走行距離が1位となったのは、九州を走る「にちりんシーガイア」です。博多駅と宮崎空港駅の間、413.1キロを結ぶ列車で、現在の日本で走行距離が400キロを超える在来線定期特急は、この「にちりんシーガイア」のみ。全区間を乗り通した場合の所要時間は5時間50分ほどとなっています。ちなみに、この列車の名前は、国鉄時代から日豊本線の特急で使われている「にちりん」と、宮崎のリゾート施設「シーガイア」を組み合わせたものとなっています。

2021年3月まで「にちりんシーガイア」で使われていた783系。2025年現在は、冒頭写真の787系が使われています
2021年3月まで「にちりんシーガイア」で使われていた783系。2025年現在は、冒頭写真の787系が使われています

なお、夜行列車まで含めれば、在来線の定期旅客列車で最長距離を走るのは、東京~出雲市間953.6キロを結ぶ寝台特急「サンライズ出雲」となります。また、新幹線まで含めれば、東京~博多間を走る「のぞみ」の1069.1キロが最長です。

国内最長距離を走る定期旅客列車は、東京~博多間を走る「のぞみ」です
国内最長距離を走る定期旅客列車は、東京~博多間を走る「のぞみ」です

さらに、貨物列車まで含めれば、札幌貨物ターミナル駅と福岡貨物ターミナル駅を結ぶ列車(98~3098~2071レ・2070~3099~99レ)が最長。函館本線や羽越本線、北陸本線、山陽本線などを経由しており、その走行距離は片道約2100キロ。所要時間も長く、たとえば札幌貨物ターミナル駅発は、22時前に同駅を出発すると、福岡貨物ターミナル駅に着くのは翌々日の11時過ぎという、超ロングラン列車となっています。

順位 列車名 最長列車の運転区間 走行距離(営業キロ) 備考
1位 にちりんシーガイア 博多~宮崎空港間 413.1キロ
2位 宗谷 札幌~稚内間 396.2キロ
3位 スーパーおき 鳥取~新山口間 378.1キロ 1.5往復のみ
4位 オホーツク 札幌~網走間 374.5キロ
5位 ひたち 品川~仙台間 373.9キロ 3往復のみ
6位 おおぞら 札幌~釧路間 348.5キロ
7位 にちりん 小倉~宮崎空港間 345.9キロ
8位 北斗 函館~札幌間 318.7キロ
9位 くろしお 新宮→京都間 315.5キロ 12号
10位 ひだ 大阪~高山間 296.5キロ 25・36号

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